速度テーブルでギヤ比のシミュレーション

ギヤ位置とケイデンスから走行速度は計算可能
大型チェーンリング化やフロント1×化ではシミュレーション不可欠
概算値は、ギヤ比×ケイデンス×タイヤ外周×円周率×0.00006

自転車において、変速の進化がもたらした影響はとてつもなく大きいと感じます。少なくとも、このテキストを書いているカブはそう思っています。

たとえば登坂シーンを思い起こしてみると、80年代末〜90年代初頭ぐらいまではケイデンス50rpmぐらいで、えっちらおっちらとダンシングして走っていまたんですよ。そして下になると52×13T(つまりギヤ比4.0)を足を回し切って走る、みたいな。

多段化と歯先形状の進化は、Fチェーンリング/Rスプロケットの歯数を大きくも小さくもできるようになり、ローギヤはより軽く/トップギヤはより重くすることが可能に。結果として、ライダーは常に同じケイデンスを維持しやすくなりました。ありがたや〜。

そして現在。もはやロードバイクだったら、とりあえず[53-36]×[11-34]を入れておけばほとんど大丈夫、みたいなコトになっていますよね。

ところがその一方で、変速の進化はFディレーラーの淘汰を突きつけています。

捉えようによっては「退化」にも映るから不思議ですね。でも生物学でも使わなかったり邪魔な器官はなくなる運命ですからしごく当たり前だと、ダーウィンが生きていたら言うでしょう。

ロードバイクでも、普段ほとんどインナーギヤは使わないっていう人も多いのではないでしょうか(←もうイラナイじゃん!)。

今回のモノラルGRのようなグラベルバイクにとどまらず、たとえばTTバイクやTRI(トライアスロン用)バイク、平地仕様のロードバイクだって今後は1×化が進むはずです。そう遠くないうちにやってくるR13段変速時代になればなおさらでしょう。

さて、実際に1×化するにあたっては、ひとつの器官を失うわけですから、あらかじめシミュレーションしておきたいです。重すぎたり軽すぎたり、ちょうどいいところがなかったりしたら本末転倒ですからね。

各ギヤ位置での走行速度は、概算値として
ギヤ比×ケイデンス×(622+タイヤ幅×2)×円周率×0.00006
で求めることが可能です。

※ギヤ比はF歯数÷R歯数。
※(622+タイヤ幅×2)×円周率はタイヤ外周の概算値(mm)です
※622は700cホイールのリム外径です。異なるホイール規格の場合は該当のETRTO数値に変えてください。
※0.0006というのは、1時間=60分とか1km=1000mといった単位を補正するための諸々を乗じた値で、係数みたいなものです。
※この計算は自転車のタイヤ断面は真円という前提に基づいています。タイヤの断面形状やトレッド厚、空気圧によって多少の差異が出ます。

たとえば28mmタイヤ装着のロードバイクを、F53×R19のギヤに入れて、毎分90回転でクランクを回したら、53÷19×90×(622+56)×3.141592×0.00006=32.08km/h
で走っていることになります。

さてさて、先日と同じように44cタイヤを装着した際の現実的な走行速度を計算してみました。

⚫︎ローギヤ:ギヤ比0.74/時速6.9km(70rpm)
⚫︎トップギヤ:ギヤ比3.78/時速50.6km(100rpm)
自転車の使い道(トレイル&廃道探索/グラベルツーリング)を踏まえると、十分すぎる感じに!

トップ側も頑張れば時速50km半ばぐらいまでは引っ張れそうですから、舗装の移動もなんとかクルマの流れに乗れそうですね。よかった。

↑店での実作業では、こんな感じに表組みにして数値を変えられるようにしています。バックを赤くしている部分が、今回モノラルGRに入れたスプロケット&チェーンリングの組み合わせです。

ところで先日、Roppongi Expressのチームメンバーがロードバイクに58Tチェーンリング(←で、でかい!!)を入れました。脚質はスプリンターで、ゴール前で気持ちよく加速したい! という目的です。

同様に58Tでのゴールスプリントを想定すると、17Tで時速48.0km(ケイデンス110rpm)、15Tで時速54.4km(同)ということがわかります。

これならチェーンをトップ側に斜め掛けすることなく、比較的大きめのスプロケットでスプリントができますね。自分の得意なシーンでチェーンの屈曲や摩擦が小さい状態を作り出すためにも、机上でのシミュレーションは大切なんです。

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