高岡が乗るターマックSL8を解説/その3(ホイール編)

2026シーズンは3種のホイールを使い分け
荒れた路面に対応すべく、タイヤは基本TLR仕様
シーラントはヴィットリアを使用中

競技用の自転車というのは、多くの場合空気抵抗との戦いです。

高岡が主に取り組んでいるロードレースはなおさらで、たとえば集団のスピードが上がっているときには時速60kmを軽く超える速度域に突入。もう風圧ビュービューです。
バイクや体のあらゆる部位でいかにその風圧を軽減させるかを考えることは、レース結果を左右する上でとても大切なことであり、中でもホイールは重要な要素なんです。

なにせホイールは、上支点(地面からいちばん遠いところ)においては、走行速度と同じスピードで進行方向に(前方に投げ出されるように)回転しています。
走行速度に回転速度が加算されて、つまり倍のスピードで空気にぶつかっているんです。時速40kmなら時速80kmで、時速50kmなら時速100kmで、時速60kmなら時速120km!

その一方で、コースやルートによっては軽量性も加味しなくてはならず、たとえば斜度のきつい上りが勝負所になるであろうレースや、スローペースが予想される場合には軽めのホイールを選択。空力よりも加減速性や登坂性能が優先されます。

ということで今シーズンを通して使うであろうホイールはこの3つ。
いずれもRovalで、主要スペックや用途を含めて一気に表にしてみました。

※ホイール重量は、リムテープ/バルブを含んだメーカー公表値です
※タイヤ重量も同様にメーカー公表値です
※装着タイヤは26年5月現在で、今後変わる可能性があります

たとえば開幕となったチャレンジロード(@修善寺CSC/距離29km/平均時速34.69km)はラピーデCLX3を使いました。修善寺CSCは平地が少なく、常に上っているか下っているかという起伏に富んだコースだからです。
ラピーデCLX3は空力を損なわない絶妙なリムハイトと軽量性のバランスに秀でており、Rovalロードホイールの中ではもっとも万能的に使えるモデルと言えるでしょう。

一方で、JBCF西日本クラシック(@播磨中央公園/距離126.6km/平均時速40.40km)や、JBCF東日本クラシック(@群馬CSC/距離126km/平均時速40.56)は、長い急登坂が少ないため流れるような高速展開になりがち。このため巡航性に優れるラピーデ・スプリントCLXで走りました。
リムハイトや幅にボリュームがあり、高速巡航時の整流性に優れているため、空気を切り裂くように進んでくれるんです。にも関わらず、rovalホイールは重くないんですよね〜! スゴイ!
この感触だと、ツールドおきなわもラピーデ・スプリントCLXを使うんじゃないかな。

そして6月6日開催予定の富士ヒルクライム(@富士スバルライン/平均時速24km前後を予定)は、上りオンリーの24kmが舞台となるため、アルピニストCLX3を使うでしょう。
華奢な見た目の通り軽量で、立ち漕ぎしてもフワっと羽が生えたようです。しかも乗り心地が抜群に良く、暴風吹き荒ぶときなどは横風でハンドルを取られにくいというメリットも!
巡航速度が低く空力的な恩恵を得られにくい貧脚サイクリストには、意外とオールマイティになってしまうかもしれませんね。

スポークは、いずれのホイールもサーモプラスチック製。一般的なカーボンに比べるとしなやかで、路面からの嫌な振動を吸収してくれます。金属スポークに近い上質な乗り味がカーボンの軽さで実現されているのです。
しかも空気がまとわりつきにくいよう、ペラペラなきしめん(もしくはフェトチーネ?)のような造形。シュパパパパ〜!

スプリントCLXに装着しているタイヤは、ピレリの新作であるP-ZERO race TLR SL-R。リム側面との一体感を重視したデザインで、現在もっとも進化したエアロタイヤと言えるでしょう。高速コーナーでのグリップも良好で、積極的な攻めた走りが可能になります。

ラピーデCLX3に装着しているのは、スペシャライズドの新作タイヤであるコットンTLR。タイヤ全体がしなやかで、荒れた路面での追従性や優しくスムーズな乗り味は群を抜いています。コーナーでの素直な挙動と相まって、オールマイティに安心して使えるんです。

アルピニストCLX3に取り付けたのはENVEレースデイ。抜群に軽い! 軽いだけでなく転がり抵抗も少なくて、ペダリングロスの少ないタイヤなんです。しかも軽量タイヤにありがちなグリップ感の乏しさや耐久面でのネガティブが払拭されているので、ココ一発の決戦用として心強い存在です。

いずれのホイールセット/タイヤもTLR(チューブレスレディ)で運用していますが、シーラントはヴィットリア・ユニバーサルシーラント。タイヤへの攻撃性の少なさとエアリークの少なさから選択しています。ただし、スクラブ状のプレートレットが入っている(←注射器を詰まらせがち!)ので、シーラント補充のたびにタイヤを外さかくてはならないんですよね。

ちなみに群馬CSCのコースは、近年ドリフトイベント(←クルマ向けに貸し出されているようです)などでアスファルトが荒れているのに加えてタイヤのカスがそこかしこに飛散しており、昔に比べて神経質なサーフェスになっているとのこと。
「25c以下の細いタイヤで走ること自体がもはやリスクになっているし、グリップを考えるとTLR以外はもう選択肢にない。タイヤ幅も今は28cを使っているが、今後は30cが視野に入ってくる」と高岡はコメントしています。

ベアリングは回転性を優先してJTEKTのONI-BEARNGに置換しています。
ただ、rovalホイールに入れると構造上の問題で微妙なガタつきが発生しやすいため、0.1mm厚のシムを使ってベアリングの圧入位置を微調整。詳細は割愛しますが、走行中やブレーキング時のビビリ音を気にする高岡も満足できる静音性がもたらされています。

これら3種のホイールを効果的に使い分けることで、加齢に伴うフィジカルパフォーマンスの低下を補っています。頑張れ世の中のオジサンたち!

さて次回はブレーキ周りに加え、そのほか細部のコダワリのポイントをお伝えしましょう。

TEXT:スタッフ・カブ

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